藻場のジグソーパズルを活用した授業

~ 海辺の環境教育フォーラム2025in南房総にて ~
実施場所:千葉県南房総市立富山学園
実施日時:2025年11月11日(火) 9:25〜10:10
概要
2025年11月10日(月)〜12日(水)に、第18回海辺の環境教育フォーラムが千葉県南房総市大房岬自然の家にて開催されました。
今回のフォーラムテーマは「学校へ行こう!海の学びを教室へ」です。全国各地で海辺の環境教育に取り組む人々が集い、地域の小中学校へ訪れ海に関する授業をする中で、学校教育と環境教育の連携を模索することを目的に行われました。
海の環境教育NPO bridgeも、できたてほやほやのLAB to CLASS新教材「藻場のジグソーパズル」を活用し、授業を実施させていただきました。
- ねらい:「他の地域の海と森のつながりと取り組みを知ろう」
- 参加者:小学5年生 30名
- 指導者:八木澤潮音(海の環境教育NPO bridge)
- 使用教材:
海洋学習教材LAB to CLASS 《藻場のジグソーパズル》
授業の様子
導入(15分):全員でジグソーパズル制作!
児童一人ひとりにパズルの一片を配布し、描かれた内容や場所について想像してもらいました。近くの児童同士で絵を見せ合い盛り上がる様子も見られました。
いざ、全員でジグソーパズル制作!
声をかけあいながら、事前にみんなで設定した目標時間内に完成させることができました。大人数ですがチームワーク抜群です!

完成後、パズルの絵を見ながら、海藻や海草が生える「藻場」には多くの生き物が暮らしていること、その理由(食べ物や隠れ場所の多さ)について紹介しました。

「富山にあるもの、ないもの」を探す活動(15分)
完成したパズルの絵を見ながら、南房総市富山にあるもの・ないものを探します。
パズルの絵のモデルになっているのは福岡県北九州市。千葉県南房総市との違いは何だろう?
海の生き物や海藻はどちらにも共通しているね。工場やビル、風力発電は富山にはないよ。太陽や空気はどっちにもある!だんだん視野が広がっていきます。

続いてクイズ!
「目にはみえないけど、富山にも北九州市にもあるものなんだ?みんなが一度習ったことがあるものだよ」・・う〜んと考える子どもたち。ヒントとなる<矢印マーク>の小道具を出しました。矢印をパズルの上に並べていくと・・・「あ!わかった!水の流れだ!」大正解。
児童は事前学習で森から海までの水の循環を学んでいたこともあり、改めて水の流れを思い出すことができました。

クイズの答えはもうひとつあります。ヒントの小道具は<栄養>と書かれた丸いマーク。海藻や海草が育つためには栄養が必要。この栄養はどこからやってくるのかな?・・・
「わかった、森だ!」大正解です。
富山にも北九州にも共通する「森から海へのつながり」について、理解を深めることができました。

発展:北九州市の海の歴史について(10分)
実はたった60年ほど前、北九州市には「死の海」と呼ばれる場所がありました。パズルの絵にも描かれている場所です。
その理由は、工場排水や生活排水をそのまま海へ流していたからです。空は七色の煙と呼ばれるほど汚れ、海は生き物が住むことができない「死の海」と呼ばれるようになってしまいました。

みんなと同い年の子どもたちが、外で遊ぶこともできないほど空気も海も汚れていた…その事実に、児童は静かにショックを受けていました。
しかし今ではきれいな空と海が戻っています。その理由は、お母さんやお父さん、工場の人、役場の人、研究者や専門家など、いろんな人たちが力を合わせてきれいな海と空を取り戻そうと頑張ったからです。
話をしながら、児童にはパズル上に置いた「汚れ」をひとつずつ取り除いてもらい、矢印カードが示す「水の流れ」を思い出してもらいました。

森から海への水の循環も、きれいな海を取り戻すために大事な役割をしていたことを伝え、北九州市ならではの歴史と水の循環について学びを深めました。
まとめ(5分)
授業の最後には、富山にはなくて北九州市にある「洋上風力発電」を紹介しました。さまざまなつながりを想像しながら、洋上風力発電が自然環境に与える影響や、持続可能なエネルギーのあり方について、考えるヒントになればと思います。

実施後の感想(実施者:海の環境教育NPO bridge /担当 八木澤)
子どもたちにパズルのピースを渡すと興味津々で、声をかけ合いながらチームワークよくパズルを完成させていたことが印象的でした。藻場のジグソーパズルをアイスブレイクとして活用することで、子どもたちの興味関心が高まり、森と海との繋がりについてより深く考える機会にできたと感じています。
公害汚染で海が汚れてしまった過去の話にはショックを受けながらも、そこからどのように人々が自然と向き合いきれいな海を取り戻したのかを伝えました。今もさまざまな環境問題がありますが、人々が力を合わせて行動することで未来はよくなるというメッセージになっていれば嬉しく思います。富山学園の皆さま、海辺の環境教育フォーラム関係者の皆さま、貴重な機会をありがとうございました。
児童の感想や授業展開の詳細等、より詳しい「実施レポート(PDF)」は、こちらからご覧いただけます

