実物大のイルカを作って イルカの生態を知ろう!

~ うみっこ:イルカのワークショップ ~

実施場所:横浜海の公園コミュニティセンター 多目的室
実施日時:2025年2月2日 10:00〜12:30

概要

神奈川県横浜市、東京湾に面し白砂の人工海浜が続く「海の公園」は、夏は海水浴、春には潮干狩りに多くの人が訪れる、都市部に隣接した海岸です。近年ブルーカーボンや生物多様性の保全でも注目を集めている「アマモ場再生」にも早くから取り組んできた、環境教育を積極的進めている拠点でもあります。その多様な「海の体験活動」の“安全”を守っているのが「横浜海の公園ライフセービングクラブ」。今回のイルカのワークショップは、このクラブのジュニア向けプログラムとして行なっている「うみっこ」の一環として実施させていただきました。
イルカの実物大模型を作りながら海洋哺乳類の体の特徴を考え、その後野生イルカの水中映像を観て、水族館とは異なるイルカの暮らしに触れる、2時間30分のプログラム。東京湾でも見られることのある鯨類を少しでも身近に感じ、“地球に生息する多くの命、生物の社会の存在”に気づいてもらうことを目指しました。

活動の様子

実物大イルカづくり

伊豆諸島御蔵島に生息するミナミハンドウイルカの実測データを元につくった「イルカの型紙」。まずは、この型紙をプラスチックシートに写し取り、ヒレやフン(口)などのイルカの体のパーツを作ります。保護者の方にも手伝ってもらって、みんな真剣そのもの。

プラスチックシートをテープで貼り合わせ、各パーツができたら、動画や写真で確認しながら胴体にヒレやフン、目や噴気孔(鼻)をつけ、ドライヤーで空気を入れて…。みんなで力を合わせて作ったイルカが姿を現しました。生後7年の実物大のイルカです!

イルカのクイズ

「ヒレの中で骨があるものはどれ?」「このイルカはオス?メス?」
みんなが作ったイルカを使って、イルカのクイズ。海に生きる哺乳類の特徴と、その理由などを、ゲーム感覚で学んでもらいました。
そして、みんなが作ったイルカの性別も決め、それぞれの体の特徴やおへそなども描き加え、イルカを完成させました。

御蔵島のイルカをモデルに作られたLAB to CLASS教材《実物大のイルカをつくろう》
野生イルカの生活

最後に、モデルとなったイルカが海の中でどんな生活をしているのか、『御蔵島バンドウイルカ研究会』の調査映像を観て、野生イルカの生活を知ってもらいました。
イルカはどうやって眠るのか、仲間とどんなことをして過ごしているのか、海中での出産や子育ては…。
私たち人間が、食事をしたり勉強をしたり家族で過ごしているその時、海ではイルカたちが彼らの世界(社会)で生きている。
そんな地球の広がりを、少し感じてくれたのではないかと思います。

実施後の感想(実施者:海の環境教育NPO bridge /担当 伊東)

就学前のお子さんから小学校高学年もいる総勢17名の参加者でしたが、みんな積極的にイルカを作り、チームワークも抜群! 東京の島(御蔵島)の周辺に定住している野生イルカの生活を紹介した映像も興味深く見てもらい、楽しい時間になりました。日頃から海に親しみ生物を身近に感じる「場」があること、そして年代を超えた“縦の関係”のあるグループ活動が普通に行われる「場」があること――子どもたちの健全な成長のために、それらが大きな意味を持つことを改めて感じた時間でした。


ワークショップ内容の詳細・スケジュール等、より詳しい「実施レポート(PDF)」は、こちらからご覧いただけます